アカデミー助演女優賞
アクターズ・スタジオ アソシエイト芸術監督
エステル・パーソンズ
20 YEARS AT THE ACTORS STUDIO
WE ALL HERE HAVE GREAT ADMIRATION FOR OUR COLLEAGUE, BOBBY NAKANISHI AND GREAT RESPECT FOR HIS ACHIEVEMENTS WHILE HE WAS WITH US.
HIS MASTERY OF THE ENGLISH LANGUAGE INSPIRED US ALL AND SHOWED US THAT TALENT AND PERSEVERANCE CAN ACCOMPLISH WHAT SEEM TO BE MIRACLES.
HE IS SORELY MISSED BY OUR COMMUNITY.
HE IS A CONSUMMATE ACTOR WITH A MASTERY OF OUR METHOD STYLE OF ACTING.
ESTELLE PARSONS,
ASSOCIATE ARTISTIC DIRECTOR OF THE ACTORS STUDIO,
NEW YORK CITY AND HOLLYWOOD, CALIFORNIA.
アクターズ・スタジオでの20年間ー私たちの素晴らしい仲間、ボビー中西氏をここに称賛し、彼が私たちと共に過ごした間成し遂げたことに心から敬意を表します。
熟練した彼の英語能力は私たちにインスピレーションを与え、また才能と粘り強さはまさに奇跡と呼ばれるものを生むのだという事を、私たちに示してくれました。
彼が今は離れた場所にいることを、私たちは痛切に惜しんでいます。
私たちのメソッド・スタイル・オブ・アクティングを通した熟達の演技を以て、彼は実に見事な俳優です。
エステル・パーソンズ
ニューヨーク&カリフォルニア、ハリウッド・アクターズスタジオ・アソシエイト芸術監督
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グラミー賞受賞、トニー賞ノミネート、アカデミー賞ノミネート、ブロードウェイ、映画 ドリームガールズ作曲家
ヘンリー・クリーガー
Henry Krieger
It is my pleasure to endorse Nakanishi Masayasu as an impressive and accomplished talent for the teaching of the acting arts to theater students in Japan. His wide and varied experience in theater, film, stage and television when living and working in New York affords him the backround needed to extend his expertise to others who earnestly wish follow the path of the actor.He hasthe skills of the dramatic actor as well as the comedic arts. I believe Mr.
Nakanishi is well suited to create a bridge between the acting worlds of the USA and Japan.
日本で演技を学ぶ方へ向けて「アートとしての演技指導界における素晴らしく熟達した才能」として中西正康氏を推薦することは、この上ない私の喜びである。ニューヨークで培った彼の演劇、映画、ステージパフォーマンスそしてテレビといったバラエティ豊かな数々の経験が、その専門的知識を俳優としての中西氏の軌跡に続くべく熱心に取り組む演技者へ広く伝えていくのに、必要とされる素地を十分に確固たるものにしている。彼にはコメディの才能と同じく、卓越した「アートとしての演技」の才能がある。私は、中西氏がアメリカと日本の演技界を繋ぐ架け橋を創造するのに大変ふさわしい人物だと信じてやまない。
ヘンリー・クリーガー
http://www.henrykrieger.com/
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俳優
尚玄
マイズナーテクニックは僕の芝居の根幹であり、迷った時はいつも立ち返る原点となっています。架空の状況で真実に生きること、そして人間一人一人の個性こそが芸術で美しいことを学びました。日本でもリアリズムが広がり、国際的に活躍する仲間が増えることを心より願っています。
尚玄
http://www.shogenism.com/
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ダンスエンターテイナー・女優
仲宗根 梨乃
演技をやりたい!勉強したい!と思い、アメリカにいる時はできるだけクラスを受けていました。そんな中、日本滞在中に初めて映画のオーディションを受け、出演が決まり、日本でも演技の勉強ができないかと探していたところBobbyと出会いました。彼がNYで学んできた事や経験をシェアしてくれ、台本や役柄への理解、役作り、どう向き合うか、そして今の私がどこにいてどう進んでいくべきかを丁寧に指導してくれました。最も勉強になったメソッドがレペテション。これは演技の勉強以外でも、学校の授業やダンサーがステージにあがる際に必要なパフォーマンススキルアップ、セラピーの場でも取り入れたらいいなと個人的に思いました。
Bobbyは映画の撮影前、撮影中でも常にサポートしてくれてとても助かりました。私の次のステージへのstep upに貢献してくれたBobby, Thank you super much!
仲宗根梨乃
http://rinonakasone.com/
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NYオービー賞受賞、劇団Hoi Polloi主宰、JACK芸術監督
Alec Duffy
As a director, I worked with Bobby Nakanishi on several productions in New York. He is a great talent and an excellent communicator. Any student of acting would be lucky to have him as a guide.
私は演出家として、ボビー中西氏とニューヨークで何度か作品をご一緒させていただきました。彼は素晴らしい才能の持ち主で、さらにコミュニケーションに長けた人物です。演技を学ぶどの生徒にとっても、彼を講師に持てることは大変幸運だと言えるでしょう。
JACK
http://www.jackny.org/
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女優
屋敷 紘子
最初に断言しておく。私はワークショップなどどいうものは基本的に信じていない。
お金を払えばワークショップにはいくらでも通えるし、それで誰もが天才的な演技が習得出来るなんて事があったら、世間はとっくに名優で溢れているし、私だって今頃大女優だ。
天性の素質を持つ俳優の演技をスクリーンや劇場で目の当たりにする度に「私にはあんな表現絶対無理だ・・・」と絶望に打ちひしがれ、それでもまだまだ自分に伸びしろが有るのではないか、進化出来るのではないかと根拠の無い自信に縋り、みんな努力し進んで行く。
ワークショップはそんな俳優達が何かを自ら掴み取りに行く場所だ、誰かが何かを与えてくれる場所ではない。
一回たった数時間かも知れないが、それが俳優にとって貴重な時間だと分かっているならちゃんとした指導者が居る場所を選ぶべきだと、私は思う。風邪をひいたら医者に行くよね?何か資格や免許を取る時はその専門家に習うよね?何故俳優は演技の指導者をちゃんと選ばないのか。
ワークショップを信じない私だけど、演技の根幹のを乞う時、私はボビー中西さんの所に行く。
何故ならばボビーさんは教えのプロフェッショナルだからだ。
つらつら書くが私は4日間の短期コースにしか参加していない。でも、私には充分な時間だった。
キツい苦しい、涙が止まらない、が一番先に思い浮かぶ4日間。でもそれはボビーさんの教えが厳しいのでは無くて、ボビーさんを信じて進む中「自分で自分で突破させる」その過程が非常に辛い。でもそれは自分が知らぬ間に溜め込んだ表現の垢だ。そりゃ楽しいだけの筈、無いよね。だって私たちはカメラ前や舞台の上でプロの俳優として生きていきたい人間なんだもの。現場に出ればもっと辛い試練の連続だ。
指導者を探している俳優が居るなら、一度BNAWには行ってみて欲しい。
私もまた通いたいところだが、あんなしんどい思いをまたするのも嫌だし・・・BNAWに行けない程に仕事が詰まっていれば良いな!なんて、正直思う(笑)。
でも、また心が滞る時に足が向くのはボビーさんの居るBNAWなんだよなー・・・悔しいけど!!
屋敷紘子
http://blog.livedoor.jp/gather_ye_rosebuds/
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映画監督、舞台演出家、脚本家
戸田 彬弘
演技とは"嘘"を"真実"に変える技術である―――
先日、ご縁があってか、巡り合わせか、日本の演技事情に対して同じような考えを持った大先輩であるボビー中西さんにお会いした。
私が開催しているトレーニングを見学して下さり、その後、私もボビーさんの行っているトレーニングを見学させて頂いた。(ワークショップ、レッスン、トレーニング、と同義語になってしまっている問題について今回は述べないが、ここではトレーニングと認識して欲しい)
物凄く熱があり好感の持てる場だった。その存在に胸が熱くなったのが正直な感想だ。見学後、カフェで時間も忘れて語り合ったのだが、その曲がりのない事実が本当に嬉しかった。
これから、私が思う現在の日本の演技事情についての問題を述べるが、そのネガティブな状況を改善する可能性が、ボビーさんの行っているトレーニングスタジオには在ると、ここで断言しておく。
さて、ここで多くの読者が読むのを止めようと思うかもしれないが、止めてしまう方は、おそらく"演技"そのものに興味がないのだろうと推測する。それが、まずは悲しい日本の現実であるとともに、日本の演技レベルの低さなのだと思う。良かったら最後まで読んでみて欲しい。響くかどうかは貴方次第だが、少なくとも、私やボビーさんが信じて活動していることは知って頂けると思う。それ位の時間は多めにみて欲しい。
ボビーさんが行っているトレーニングは、言わずと知れたアメリカのいわゆるメソッドである「マイズナーテクニック」である(※ボビーさんはその創設者であるサンフォードマイズナーさんから直々に指導を受けた数少ない日本役者である)。 レペテションという繰り返しの方法を主体にしたこのメソッドには、演技の基礎の全てが詰まっている。
テキストやキャラクターに入る前に(※日本ではすぐに役と台詞を与えられる。それが一番の問題である)、まず目の前に起こることに反応すること、しっかりと相手の言葉を聴くこと、本当にその場に存在すること、を、徹底的にそして丁寧にトレーニングしていく。 それは日常で生きていれば当たり前に誰もがしていることを自覚していく作業であり、また、社会という柵に縛られた社会性を排除し、シンプルに本心から感動することが出来る、役者の身体と精神を解放させる作業でもある。
この"日常では当たり前"の作業を、何故か"演技"になると容易に出来なくなるのである。真実は失われ、嘘がそこに現れる。そもそも演技というのは"嘘"であってはならない。虚構であるフィクションを役者によって"真実"にすることが演技の本来の意味であり、役者の仕事である。
そしてまた、「役になる」ということを魔法のように思い込んでいる役者も少なくない。 役者はどうしたって、自分の身体と精神からは逃げられない。私をどう扱うか、が役と向き合っていく事の他ならない。当然のことであるが、役は最初から最後まで"私からの発進"なのである。ということは、いきなりテキストや台詞、キャラクターを任されてしまう日本の現状は厳しいと察して貰えたのではないかと思う。
現場経験は勿論大切であるが、本来の"私"として板の上に立つことを獲得する前に、虚構であるテキスト、他者であるキャラクターを演じる事は、芝居のスタートラインに立てないまま芝居をしていることになる。それは、やがて"嘘を付く"ことを身体に覚え込ませてしまう一番悲しい事実に辿り着いてしまうのである。
分かり易く例えるなら、人間は誰でもバットを振る事が出来る(誰でも喋ることが出来る)だから、誰でもバッターボックスに立つ事は出来る(誰でも台詞を喋ることは出来る)けれども、プロの試合でヒットを打つ事はできない(本当の意味で演技は出来ない)という事である。 日本の現状はスポーツ界で言えば、鍛錬を積み重ねる前に試合に出てしまうという恐怖である。それでは良い演技が出来るわけがない。喋る事は出来るから、なんとなくこなせているという錯覚でしかない。演技をするためにあるべき身体、精神が仕上がっていないのに、演技をさせられていることは、役者にとって本当に怖い事だと認識して欲しい。
事実、私は映画監督と舞台演出家として現役で活動しているが、オーディションや現場で出会う若い役者の9割はこういった現状だ。嘘つきで本当に存在することができない。悲しい現実である。ただ、逆に捕らえれば、やるべき基礎をしっかりと培えば残りの1割に属する事が可能であるということだ。
日本の役者人口はますます増えているが、状況は芳しくない。それならば、急がずにしっかりと基礎トレーニングを重ね、それから現場に出て行っても良いのではないかと思う。 正直、一気に跳ねる役者は元々持って産まれたビジュアルやセンスが大きい。それはどう足掻いても持って産まれていない人間には無理なのだ。だとしたら、現状飛躍することにぶつかっている役者に必要な要素は何か?それは演技力しかないのではないか。それしか、演技で生計を立てていく場所には辿り着けないのではないか。すぐに上を見ずに己の現状を踏まえ、一歩一歩着実に努力し上がっていく事が正しいのではないか。多くの役者がそれを可能にすれば、きっと日本から良い役者がどんどん増えていくと思う。
まずは、個人の意識を変えるしかなく、また演技に興味を持って貰うしかない。 本当の演技とは、他者と本当に繋がり合えた瞬間にしか成立しないものだと思う。その感覚を一回でも体験すれば、それは財産となり、自分の芝居が嘘である時と、きちんと繋がれた時の差が自覚出来る。
テキストやキャラクターという課題は、まずは役者が個人を自覚し、しっかり板の上に存在し、他者と繋がることが出来てから行うべきだと思う。そうでないと初めに話した通り、"嘘"を演技によって"真実"に変えることが出来ないと思う。良い芝居とはなんだろうか、本当の演技ってなんだろうか、考え続けることが大切なのだと思う。
数々のワークショップが日本にはあるが、集まるメンバーのレベルの差と、毎回メンバーが変わる積み重ねが出来ないことが大きな課題として蔓延っている。しかし、ボビーさんのクラスは、一人一人に合ったペースで課題を提案し、クリアするまで丁寧に指導してくれている。演技を始める人に、もしくは演技そのものを見つめ直したい人に、レペテションは現在も有効な手段だと感じるのである。
是非、一人でも多くの有能な役者が育ってくれることを祈りながら、私自身もしっかりと指導出来る場と、また恥じない作品を創り続けれるようにこれからも精進しなければと気合いが入る。 どれだけ言葉を並べても演技は論ではない。まずは体験して、自分の身体で感じていくことをオススメする。 最後まで読んで下さった方、本当に感謝致します。
戸田彬弘
(映画監督・舞台演出家・脚本家)
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監督、演出家
太田 実
ボビーのニューヨークでの20年の経験を、見て聞かない手はない。
海外でレッスンだけをしてきた演技指導者は沢山いるだろう。これは、重要な問題だ。
海外・NYでの高度な舞台出演や劇場用映画の撮影経験は、レッスン、稽古場では体験できない最終章(実践)である。その現場に立てるのは、ごくわずかなのはご承知の通り。
特に映画では稽古場とは全く違う環境で演じなければならない。そんな経験や問題の対処をアドバイスできるだろうか?ボビーは教えてくれる。修行ともいえる海外での俳優生活の経験を語れるだろうか?ボビーは語ってくれるだろう。
ロシア発、アメリカ経由の演技レッスン、トレーニングを学びたいなら、実践に基づくボビーのWSである。が、しかし「ハリウッド映画に出たい」程度で、このボビーアクティングWSに近づいてはならない。あなたが俳優に向いてないことを、はっきり教えてくれる。心して参加せよ。
太田実
(監督、演出家/初級教室主宰)
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